Prey-Predator系における能力の進化 - 2. LVで挫折したので進化ゲーム理論で考えてみた
前回からやったこと → 今回やってみること
前回(d:id:swarm_of_trials:20080729)はロトカ・ヴォルテラ(LV)方程式系を分解して,個体レベルでそれに対応するルールを作ろうとしました.でもいまいち気持ち悪い部分があったので,それの改善を今後の課題としていました.
で,ちょっといろいろやってみたのですが,うまくいかず(作った個体レベルのルールがLV方程式に戻せない,発散してしまうなど).
多分,LV系におけるコンタクトプロセスや平均場近似をちゃんと理解できていないことが原因だと思います.
それで,どうにもならなくなってきたので,個人的になじみ深い進化ゲーム理論のほうから考えてみることにします.
ホントはちゃんとLVを勉強すればいいんですけどね (- -;; (言い訳: 2種だと漸近安定なアトラクタが無いから後々扱いづらくなりそうですし..そのうち勉強します..よ?)
LV系っぽい利得行列の設計
定性的にLV系っぽく見える利得行列を作ります.
それは,以下のLV方程式に対応させて考えると,
(1)
(2)
次のようになると思います.
Prey | Predator | Empty | |
---|---|---|---|
Prey | 0 | -β | α |
Predator | δ | 0 | -γ |
Empty | 0 | 0 | 0 |
のようになります().パラメータの解釈とかは前回参照(d:id:swarm_of_trials:20080729).
ここで,Preyは被食者,Predatorは捕食者,Emptyは空間の疎度合いを表します.
Preyを例に考えると,Predatorとのゲームでは利得は-β,Empty(誰とも対戦しない)と利得はαです.
ゲーム理論は相互作用による利得のみを考えているので,LV系における相互作用によらない部分(式1,2の右辺第1項)をEmptyとの対戦という形で表現してみました.
次は,
上の利得行列で,どんな個体数動力学を示すかを調べることにします.それなりにLV系っぽくなってるかどうかの検証ですね.
それを検証したら,(ようやく)そこにおける個体の能力の進化について考えていきたいなと思っています.とりあえずは,「個体の能力」というものについて,考察をしようと思っています.
- 次: レプリケータ方程式を用いた利得行列の検証: d:id:swarm_of_trials:20080804