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Prey-Predator系における能力の進化 - 6. 絶滅を考えてなくて失敗

ものすごく久しぶりの更新.

これまで

Prey-Predator系における個体能力の進化において,前々回(d:id:swarm_of_trials:20080821)までに,個体間の相互作用と進化する個体の能力について考察し,前回(d:id:swarm_of_trials:20080826)で Agent-Based Model によってシミュレーションする手続きを考えました.それで,いよいよシミュレーション!って感じだったんですが..

結果

失敗しました.

なぜ失敗かというと,能力の進化が起こる前に被食者・捕食者のどちらか一方が絶滅してしまうためです.そのため,個体の能力の進化を観察できませんでした.

なぜ絶滅してしまったかというと,Agent-Based Model のベースにした被食者・捕食者系を真似た進化ゲーム論系が次の図に示すようなダイナミクスを示すからです(詳しくは,レプリケータ方程式を用いた利得行列の検証(d:id:swarm_of_trials:20080804)を見てください).
f:id:swarm_of_trials:20080804201410g:image
この系では個体数はものすごく多い(というか無限)と想定しているのですが,Agent-Based Model ではそんなに増やせないので,x, y軸のどっちかに漸近したときに揺らぎによって簡単にどっちかが絶滅してしまいます.

絶滅しないような処理(1個体は必ず残す,侵入者としてランダムに生成した被食者・捕食者を挿入し続けるなど)をしても,個体数が非常に少なくなることは免れないので個体能力の進化を観察するのは困難です.

要するに,個体数が進化のタイムスケールは個体数変動のタイムスケールに比べてものすごく遅いにもかからわず,進化を考えることができる個体数が維持できないので,観察できるのは個体数の変動だけだった.ってことですね orz.
第3回レプリケータ方程式を用いた利得行列の検証(d:id:swarm_of_trials:20080804)で気づくべきでしたw.

ということで

ロトカ・ヴォルテラ方程式系から出直してきます.