Boid にノイズを加えて相転移させた - 11行で説明してみた
- Boid にノイズを加えて相転移させた: d:id:swarm_of_trials:20081224
ってやったけど,こんな長いの誰が読むんだって思ったので,11行で説明してみる.
論文の解説ではないので,私の感想・解釈込みです.注意.
- 「T. Vicsek, A. Czirok, E. Ben-Jacob, I. Cohen, O. Shochet - Novel type of phase transition in a system of self-driven particles, Physical Review Letters 6(75):1226-1229, August, 1995」って論文の追実験した.
- いっぱい鳥がいて,各鳥が近くにいる鳥と同じ方向に進むように行動するっていうルールで行動させると,自然と鳥の群れのようなものができる(これは Boid と呼ばれる).
- これは複雑系における非平衡(ダイナミック)な自己組織化(ミクロの相互作用からマクロな秩序が生まれる)現象の単純なモデルなので,これを調べると難しい非平衡な自己組織化現象についてもわかるかも?
- ってことで,シミュレーションして調べてみた.
- それぞれの鳥の行動にノイズを加えてみたら,ノイズの大きさしだいで,群れ行動をしたり,ぜんぜんしなかったりした.
- ノイズが小さいときの様子が下図.水色の線は適当に1匹選んだ鳥の軌道.群れっぽくなってるし,水色の軌道も方向性を持ってる.
- ノイズが大きいときの様子が下図.鳥は散らばってて群れっぽくない.水色の軌道もぐにゃぐにゃでランダムに動いているように見える.
- 実はノイズの大きさをちょっとずつ大きくしていくと,それまでは群れっぽくなってたのに,ある値から突然(!),群れっぽくなくなる.
- これは相転移って言って複雑系に普遍的に見られる現象.
- 群れ行動をする力(秩序化の力)とバラバラの方向を向く力(乱雑化の力)の2つのせめぎ合いによって,この相転移現象が現れているような気がする.
- 論文ではこのような非平衡系における自己組織化と相転移について議論されてる(このモデルの結果から何がわかるかなど).
私によるもうちょっと詳しい説明です.
- Boid にノイズを加えて相転移させた: d:id:swarm_of_trials:20081224
論文のPDF.興味のある方は是非.